デニムの語源は、フランス語の「Serge de Nimes セルジュ・ドゥ・ニーム」(ニーム地方の綾織物)という言葉が現在の「デニム」の語源である。
フランスの南部は温暖な地中海性気候であり、19世紀当時綿花などの栽培も行われており、自国内や海外への綿製品の貿易も盛んに行っていた。特に港町のマルセイユに近い「ニーム」地方がちょうど日本の瀬戸内地区のような温暖な気候や立地条件のもと、織物生産地として繁栄していた。
このニーム地方の生地がアメリカなどの英語圏で取引されるようになり、発音しやすいように前半をン省略して「デ・ニーム」に変化し、やがて「デニム Denim」へと変化した。
「ジーンズ」という言葉は、イタリアの「ジェノバ Genova」に関係している。
ジェノバはフランスの港町「マルセイユ」とは競争関係にあり、新大陸アメリカへ輸出する「織物」の集荷地としても有力であった。
一説では、新大陸のアメリカ人たちがジェノバから来ていた船乗りたちが着ていたズボンの素材やあるいはズボンそのものを「ジェノバ製」という意味の「ジェンズ (Genes)」あるいは「ジェノワーズ(Genois)」と呼んでいたという。
その呼び方がやがて「ジーンズ」と発音されるようになったと言われている。
この「ジーンズ」の呼び方の変歴については、ジーンズの本場アメリカでも詳細は分かっていない。